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ステマ規制で違反となる口コミ施策とは?貴社の施策は大丈夫?

2024/03/19
向井 重文
  • ローカルSEO
景品表示法に基づくステマ規制「口コミ」施策の遵守ポイント

他人の意見や評価を参考にできる口コミは、店舗やオンラインショップの利用者にとって非常に重要な要素です。
ユーザーの意思決定に大きな影響を与えるため、口コミ収集の施策は集客の一つとして欠かせないものとなっています。

そのような中、2023年(令和5年)10月から、景品表示法に基づく規制対象として「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の指定、いわゆるステマ(ステルスマーケティング)規制が導入されました。

この規制では、消費者を誤解させるような不正なマーケティング手法を禁止しており、違反すると法的なペナルティを受ける可能性があります。

この記事では、ステマ規制とは何なのか?マーケティングや口コミ収集においてどのような行為が問題視されているのか?具体的な注意点について詳しく解説します。

さらに、規制に抵触しない安全で効果的な口コミ収集の方法についてもご紹介します。

ステルスマーケティングとは?

ステルスマーケティング(通称:ステマ)とは、消費者に対して、その活動がマーケティングであること、つまり広告であることを隠して商品やサービスを宣伝する手法を指します。

ステルスマーケティングは、実際は事業者目線でのバイアスがかかった情報が、一見して第三者からの中立的な意見に見えるため、消費者が判断を誤り不当な購入や契約をしてしまうなど、経済的な損失を被る可能性があることが問題です。

ステルスマーケティングで行われる手法

ステルスマーケティングで行われる手法には以下のようなものがあります。

偽装(なりすまし)タイプ

事業者の社員や関係者が一般消費者になりすまし、商品やサービスの宣伝や口コミをする方法です。

実際には企業側の関与や意図があるにもかかわらず、消費者はそれを独立した意見と誤認するリスクがあります。

ステマの手法① 偽装(なりすまし)タイプ
ステマの手法① 偽装(なりすまし)タイプ

利益提供秘匿タイプ

事業者から依頼を受けたインフルエンサーや有名人、あるいは金銭的な利益を提供された第三者が商品やサービスの宣伝や口コミを行うやり方です。

これも、実際は企業からの意図が強く働いているにもかかわらず、それが一般消費者からの自発的な情報であるかのように見せかけることが問題となります。

ステマの手法② 利益提供秘匿タイプ
ステマの手法② 利益提供秘匿タイプ

このように、事業者の関与を隠して商品やサービスを宣伝することは、公正な情報に基づいた意思決定を妨げる要因となるため、多くの場合規制の対象となります。

なぜ、ステマ規制が導入されたのか?

ステマ(ステルスマーケティング)規制が導入された主な理由は、消費者保護と市場の公正性を確保するためです。

ここまで述べてきたように、ステマは消費者の判断を誤らせる不誠実な宣伝手法です。
さらに、ステマは市場における公平な競争を歪める要因になります。

すべての企業が透明性を持って情報を提供することが市場の健全性を保つ上で重要ですが、ステマのような不正直な宣伝手法は、公平な競争条件を損ない、最終的には市場全体の信頼性を低下させることにもつながります。

景品表示法はその制定以来、消費者が商品やサービスを適切に選べるように優良誤認や有利誤認表示を規制してきましたが、ステルスマーケティングを具体的に取り締まる規定がなく、多くの場合放置されてきました。

ステマに対する社会的な問題意識が高まるにつれ、消費者を保護し、市場の透明性を確保する機運も高まり、法的枠組みの整備が急務となり、2023年10月に景品表示法の「内閣総理大臣が指定する不当表示」の項目に、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」が追加されました。

これにより、ステマ行為が具体的に規制されるようになりました。

優良誤認とは?(景表法5条1号)

実際にはそうでないにもかかわらず「実際よりも質のよい商品だ」と誤解させる表示のこと。

例:ある掃除機が「どんなに小さなホコリも100%取り除く」と宣伝しているが、実際はそうではない場合、消費者はその掃除機が実際よりも非常に高性能だと誤解します。

有利誤認とは?(景表法5条2号)

実際にはそうでないにもかかわらず、「実際よりもお得な商品」と誤解させる表示のこと。

例:競合との料金比較表で自社より高いサービスのみを表示して自社サービスが最も安いかのように誤認させる方法など。

内閣総理大臣が指定する不当表示とは?(景表法5条3号)

上記2つに当てはまらない、その他の消費者に対して誤解を招くような不適切な広告や表示については、内閣総理大臣が指定することが定められています。

従来から指定されていた以下の6項目に加え、7項目めに「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」が追加指定されました。これがいわゆる「ステマ規制」です。

  1. 無果汁の清涼飲料水等についての表示
  2. 商品の原産国に関する不当な表示
  3. 消費者信用の融資費用に関する不当な表示
  4. 不動産のおとり広告に関する表示
  5. おとり広告に関する表示
  6. 有料老人ホームに関する不当な表示
  7. 一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示(令和5年10月1日施行)

「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」とは?

事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの。

参考:https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms216_230328_02.pdf

告示内容をまとめると

  • 消費者が事業者の広告や宣伝を第三者の意見と間違えないようにするためのもの
  • 事業者が提供する商品やサービスに関する情報は、消費者がそれが事業者からのものだと理解できるように明確に示さなければならない。
  • 消費者が事業者の情報を第三者のものと誤解すると、商品選択において誇張や誇大な情報を考慮に入れず、誤った判断を防ぎ、消費者が自分の判断で合理的な選択をすることを支援するために設けられている。
  • 事業者は、自分たちの広告や宣伝が消費者に誤解を与えないように注意する必要がある。ただし、事業者の情報が明らかに事業者からのものと分かる場合は、この告示の対象外。

参考:https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms216_230328_03.pdf

口コミ施策で、景品表示法に抵触する行為は?

口コミ施策においても、消費者の判断を誤らせるような不誠実な方法で行われるものは、景品表示法に違反する行為となります。以下にその例を挙げます。

偽の口コミの作成

実在しない消費者を装い、自社の製品やサービスに対して好意的なレビューや評価を投稿する行為です。これは、消費者に製品やサービスが実際よりも優れていると誤認させる恐れがあります。

事業者や関係者の口コミ

事業者自身やその関係者が、自分の立場を明示せずに口コミを投稿することや、競合事業者の商品やサービスに不当に低い評価を投稿するような行為です。

否定的な口コミの削除や隠蔽

不利なレビューや評価を意図的に削除したり、目立たなくしたりすることで、消費者に製品やサービスが実際よりも問題が少ないか、より受け入れられていると誤認させる行為です。

さらに、事前アンケートで高評価のユーザーのみを口コミ投稿ページへ誘導し、低評価のユーザーを誘導しないような選別(レビューゲーティング)も、商品やサービスを実際よりもより良く誤解させる有利誤認などの、景品表示法に違反する恐れがあります。

事前アンケートによるクチコミページへの誘導は景品表示法違反する可能性があります。

特に、Googleのガイドラインでは、「虚偽のエンゲージメント」として、肯定的なクチコミを誘導し、否定的なクチコミを妨げる行為を明確に禁止しています。

具体的には、顧客が否定的なクチコミを投稿するのを阻害・禁止したり、肯定的なクチコミのみを選択的に募る行為が該当します。
このような行為が確認された場合、Googleからアカウントの停止やビジネスプロフィールの公開停止といったペナルティが課される可能性があるため、早急な見直しが必要です。

顧客からの否定的なクチコミの投稿を妨げたり禁止したり、肯定的なクチコミを選択的に募ったりする行為。
顧客からの否定的なクチコミの投稿を妨げたり禁止したり、肯定的なクチコミを選択的に募ったりする行為。

報酬を提供しての口コミの依頼

消費者やインフルエンサーに金銭や商品、サービスを提供し、見返りに好意的なレビューや評価を書かせる行為です。報酬の提供があったことを明かさずに行うと、消費者はそのレビューが独立した意見だと誤認する可能性があります。

口コミを集めるに際して特に注意が必要なのは、この報酬を提供して口コミを依頼する行為です。 例えば、口コミを書いた人に対して割引やクーポンを提供するキャンペーンは、報酬があったことを明示しなければなりません。あるいはPRマークなどの表示が必要になります。

これらの行為は、消費者が情報に基づいて自由かつ適切な選択を行う権利を侵害するため、景品表示法によって規制されています。企業は口コミ施策を行う際に、透明性と誠実性を保つことが求められます。

これらの施策を行っている場合は、速やかに見直しをすることが必要です。

SNSでも注意が必要

SNSで製品やサービスを宣伝する際は、その内容が広告であることを明示する必要があります。
ステマ規制に違反しないためには、広告宣伝であることを表明する「PR」表記をすることが重要です。

PR表記の例

  • #PR
  • #スポンサー付き
  • #広告
  • #提供
  • #協賛
  • #コラボ
  • #プロモーション
  • #有料パートナーシップ
  • #スポンサードコンテンツ
  • #ブランドアンバサダー
  • #アフィリエイト
  • #有料広告
  • #[ブランド名]提供
  • #[ブランド名]とのコラボ
  • #無料提供 (商品を無料で提供された場合)
  • #スポンサードプロダクト
  • #有料コラボレーション
  • これは広告です
  • ◯◯から商品の提供を受けています

各SNSのPR表記ガイドライン

SNSの各プラットフォームでは、このような宣伝に関する投稿をする場合の規定を設けています。 こちらの内容を遵守して運用するように心がけましょう。

インスタグラムのPR表記ガイドライン

Instagramでブランドと関連するコンテンツ(ブランドコンテンツ)を投稿するときは、そのブランドやビジネスパートナーを投稿にタグ付けする必要があります。 このルールは、クリエイター、ビジネスオーナー、または個人アカウントユーザーであっても同じです。

もしビジネスパートナーと何かしらの取引や交換(例えば、商品やサービスの提供)を行っている場合、その関係を明確に示すためにブランドコンテンツにビジネスパートナーをタグ付けすることが求められます。

X(旧ツイッター)のPR表記ガイドライン

X(旧Twitter)でサービスを宣伝するコンテンツのツイートとして投稿する場合、それが商用コンテンツであることをユーザーに明確に伝える必要があります。 これには、「#広告」、「#有料パートナーシップ」、「#スポンサー」といったPR表記のハッシュタグをツイートに含めます。

YouTubeのPR表記ガイドライン

YouTubeでは、サービスを宣伝するコンテンツの要素が含まれている場合、動画の説明欄にある「有料プロモーション」のチェックボックスを選択し、YouTubeにその内容を報告する必要があります。

TikTokのPR表記ガイドライン

TikTokでは、サービスを宣伝するコンテンツを投稿する場合、コンテンツ情報開示設定を有効にして、投稿が宣伝であることをユーザーに明らかにする必要があります。

ステマ規制や、景品表示法に違反するとどうなる?

ステマ規制を含め、景品表示法に違反すると、消費者庁から罰則命令や、再発防止を命じる措置命令が下ります。 社名が公表されたりするなどのペナルティもあるため、ブランド毀損や信頼性の崩壊による影響は計り知れません。

悪質なケースと認められると刑事罰対象となり、事業者に対して2年以下の懲役または、300万円以下の罰金、もしくはその両方が科される場合もあるので注意が必要です。

このように、口コミ依頼や口コミ収集キャンペーンなどの施策を行う際には、注意深く進めて、これらの規制に違反しないようにする必要があります。

法令遵守した設計でリスクなく安心して使えるクチコミ支援ツール「キキコミ」

そもそも口コミが増えない要因とは?

多くの人が口コミを書かない最大の理由は、実際に文章を「考えて書く」ことにあります。

Gyro-nが独自に調査したデータでは、クチコミを依頼されて書かなかった理由として「文章を書くことが苦手・面倒(229件/38.17%)」「書く内容が思い浮かばない(171件/28.5%)」ことが多く挙がり、過半数を占めました。
これらの理由が、口コミを書く大きな障壁となっています。

クチコミを書かなかった理由は何ですか?

クチコミを書かなかった理由は何ですか? 円グラフ
Gyro-n調べ 2023年秋、600名のアンケート調査

店舗がどれだけ顧客に口コミを依頼しても、これらの隠れた障壁がユーザーの口コミ行動を妨げていることがわかります。

アンケートと口コミを比べると、クチコミを書くことの方が面倒?

Gyro-nが調査したデータでは、アンケートに比べて口コミの依頼が約2倍面倒だと感じるユーザーが多いことが明らかになりました。
これは、多くのユーザーがサービスや商品には満足しているものの、口コミを一から考えて書くことに大きな負担を感じているためです。

アンケートと口コミ どちらが面倒ですか?

アンケートと口コミ どちらが面倒ですか? グラフ
Gyro-n調べ 2023年秋、600名のアンケート調査

アンケートからリアルなクチコミ文章案をAIが生成する「キキコミ」(特許出願中)

キキコミは、アンケートと口コミを一緒に収集できる革新的なツールです。
お客様の感想を幅広い質問アンケートで収集し、それを基に口コミの文章案を生成します。

お客様はこの文章案をもとに、必要に応じて調整したり、内容に問題がなければそのまま口コミとして投稿に利用できます。

口コミの数を増やすだけでなく、アンケートから得られる情報を通じて、店舗運営やマーケティング、サービスの改善に役立つデータが資産として蓄積されます。

店舗運営に欠かせない「アンケート」×「クチコミ」をまとめて収集「キキコミ」

アンケート回答だけでAIが具体的な感想をキャッチ。
AIがリアルな声を文章化。手間いらずで質の高いクチコミを。

キキコミ」ならアンケート回答だけでAIが具体的な感想をキャッチ。 AIがリアルな声を文章化。手間いらずで質の高いクチコミを。

キキコミはレビューゲーティングに該当しない?

景品表示法では、事業者が口コミの内容に関与することが規制されています。
キキコミはアンケートを通じてお客様の意見を収集しますが、そのプロセスは全て景品表示法やGoogleマップなどのガイドラインに準拠しています。

キキコミは評価に基づいて口コミへの誘導を分けるような機能を持たず、アンケートの設問も公平性を保つように設計されています。

詳しくは、キキコミよくある質問を参照

キキコミは景品表示法、ステマ規制に該当しない?

景品表示法では、消費者が事業者の広告だと気づきにくいような情報提供、つまりステマを規制しています。
これは、お店が口コミの内容をコントロールしている場合に問題となります。
本来、口コミは消費者が自分の意思で書くものですが、事業者が内容に影響を与えたり、何かしらの対価を提供したりすると、その口コミは自主的なものとは見なされません。

キキコミでは、アンケートを通じてお客様の意見を集め、それをもとに口コミの文章を生成します。
しかし、このプロセスはお客様の自由な意見を尊重しています。
質問は誘導するものではなく、生成された文章もお客様が編集可能です。
最終的にはお客様自身が口コミを投稿するため、キキコミはお客様の自主的な意思に基づく口コミを支援していると言えます。

アンケートから生成された口コミ案は、お客様が自由に編集し、最終的に自分で投稿するため、キキコミがステマ規制の対象になる可能性は低いです。

詳しくは、キキコミよくある質問を参照

このように、キキコミは、法的な側面を考慮しながら、店舗側が口コミ内容に影響を与えることを徹底的に排除し、お客様にリアルな口コミの文章案を提供し、口コミの投稿をシンプルに楽に行ってもらえるツールです。

キキコミは、リスクのある選択肢ではありません。
ステマ規制やGoogleガイドラインに 抵触するようなサービスを使う必要はありません。

さいごに

Gyro-nは、すべてのビジネスが真剣に取り組むことで公平な評価を得られるべきだと信じており、顧客が満足する高品質なサービスを提供することに努めています。

私たちは、ビジネスが適切に評価されるためのシステムと環境を構築することを目指しています。 クチコミ獲得にお悩みの方は、ぜひキキコミをお試しください。

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この記事を書いている人

ユニヴァ・ジャイロン:向井 重文

Gyro-nデジタルマーケティングエンジニア:向井 重文

自社サービスGyro-nシリーズのマーケティング、SEOを統括する傍ら、自らの経験からSEO担当者の業務負担を軽減するSEO管理プラットフォーム「Gyro-n SEO」を企画・設計。2016年よりセミナー講師としても活躍中。

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