SERPs比較分析機能の使い方 - 検索結果データを比較し、検索エンジンの動向を分析する
Gyro-n SEOは、キーワードを登録して以降、毎日(※)のSERPsデータをアーカイブしており、アルゴリズムに変化があったと見られる前後2つのSERPsデータと100位以内各サイトの順位変動を見比べることで、アルゴリズム変更後急激に評価を上げたコンテンツ、評価を落としたコンテンツの傾向が分析できます。
このSERPs比較分析機能を活用することで、いち早くアルゴリズム変更のあおりを受けて下落してしまったサイトのリカバリーを図ったり、上位をなかなか狙うことができないでいたコンテンツを、アルゴリズム変更を契機に他サイトに先駆けて上位にランキングさせる施策をすることが可能となります。
ここでは、SERPs比較分析機能の使い方・操作手順と傾向を探るための分析方法を解説します。
※SERPsデータの保存期間は18ヶ月(1年半)です。
1.SERPs比較分析機能のしくみ
SERPs比較分析機能では、任意の2つの日付(基準日と比較対象日)の検索結果データを比較し、検索エンジンの変化や動向を掴み評価ポイントを考察することに利用します。
※比較対象日は、基準日より新しい日付を指定します。
2.SERPs比較分析機能の操作手順
大まかな作業の流れは次のとおりです。
- 基準日を指定する
- 比較対象日を指定する
- 比較データを表示し、傾向分析を行う
次の事例では、キーワード「Google順位変動」で、あるタイミングから検索順位が急激に下落しています。
このような場合、自社サイトの順位上昇時と下落時の検索結果を比較し、評価を上げたコンテンツ、評価を落としたコンテンツの傾向を分析し、コンテンツのチューニングをする必要があります。
まず、分析するキーワードの順位グラフから、検索結果プレビューを表示します。
3.分析する基準日と比較対象日を設定する
あらかじめ、比較したい基準日と比較対象日がともに表示される期間を検索結果プレビュー画面のグラフに指定します。
※事例では4か月間(カスタム設定)で表示しています。
「SERPs比較分析」ボタンをクリックします。
「SERPs比較分析、対象日の設定」のウィザードが出ます。
まずは、比較の基準日(青色で表示)を設定します。
日付はプルダウンのカレンダーより選択が可能ですが、グラフ上のポイントをクリックすることでも指定することができます。
設定が完了したら「次へ」をクリックし、比較対象日(赤色で表示)を設定します。
※比較対象日は、基準日以前を指定できません。
基準日と比較対象日を指定し、「OK」をクリックすると比較データが表示されます。 基準日を修正したい場合は、「戻る」からやり直すことができます。日付の設定は分析データ表示後でも可能です。
4.SERPs比較グラフから傾向をつかむ
SERPs比較グラフは、基準日の検索結果データを基準に対象日との順位変動を表したものです。
以下の4つの変動タイプがグラフ上にプロットされています。
- 上昇(上昇している、評価が上がったサイト)
- 下落(下落している、評価が下がったサイト)
- ランクアウト(圏外にランクアウト、評価されなくなったサイト)
- 変動なし(順位変動していない、評価の影響を受けていないサイト)
4-1. 円グラフ
4つの変動タイプの割合を表示しています。
この例では上昇が14%(14サイト)、下落は31%(31サイト)あり、下落しているサイトの方が多い状況です。
「変動なし」は3サイトしかなく、評価を全くされなくなって「ランクアウト」してしまったサイトが半数以上の52%(52サイト)もあることから、大幅な評価の変化があったことがわかります。
4-2. 順位変動幅グラフ
4つの変動タイプをグラフ上にプロットされ、各サイトの動きを視覚的に捉えることができます。
グラフの横軸がサイトの順位(1~100位まで)、縦軸が順位変動幅です。 縦軸の中心点0(=変動なし)より上部(上昇エリア)は順位が上昇しているサイト、下部(下落エリア)は順位が下落しているサイトです。変動幅が非常に大きいものは、グレーの表示エリアの上下最大値あたりに位置していることになります。
※グレーの表示エリアは、順位変動可能範囲です。
グラフにプロットされたマーカーをマウスオーバーすると、変動した順位・変動幅の詳細が表示されます。
さらにマーカーをクリックすると、グラフの下に表示されている基準日の検索結果リスト上にある該当サイトにジャンプします。
※大きいマーカーは自サイトを表します
4-3. グラフから考察する
この例では比較分析の結果、上昇したものよりも下落したサイトの方が多く、またランクアウトしているサイトが全体の半数以上にのぼることがわかります。
SERPsの半数以上が入れ替わっているということは、このキーワードに対して、非常に大きな評価ポイントの変化があったと推測できます。 従来評価されていたページは、評価ポイントが変化した影響で順位が下落していると考えられます。
5.変動別フィルタリングでさらに傾向をつかむ
全体の状況がざっくりつかめたら、次はそのキーワードでどのようなサイトが評価を伸ばしたのか、逆に評価を落としたのか、具体的に見ていくことでさらなる傾向を分析します。
SERPs比較データの表組に、抽出のためのフィルタリングボタンが用意されています。フィルタリングボタンは、6つです。
- 全部
- 上昇
- 下落
- ランクアウト
- 変動なし
- ランクイン
それぞれのボタンを使って比較データを絞り込み、ページタイトルなどから傾向をつかみます。
5-1. 上昇で抽出
「上昇」で絞り込むと、例に挙げた「Google順位変動」キーワードでは2018年8月のアップデートについて述べているサイトが大きく評価を上げていることがわかります。 また、検索エンジンのアップデート内容やその要因、対策などを述べているコンテンツも上昇しています。
5-2. 下落で抽出
「下落」で絞り込むと、ツール紹介サイトや、2018年3月の変動について述べているものなど情報の古いコンテンツが大きく順位を落としていることがわかります。
5-3. ランクアウトで抽出
こちらも下落しているサイト同様、2018年3月や5月、またそれ以前の内容など情報の古いページが非常に多くあります。
5-4. 変動なしで抽出
すでに上位で評価されており、変動に関する情報をまとめているサイトが評価を保っています。
5-5. ランクインで抽出
2018年8月やそれ以降の最新の変動について述べているサイト、変動の要因や対策を述べているコンテンツが多くあります。
6.仮説を立て対策し、検証する
以上のことから、このキーワードでは以下のような仮説を立てることができます。
- できるだけ最新の出来事に関する情報が評価されやすい
- 順位変動の要因・対策について詳しく述べているものが引き続き評価されている
- 情報が古くなっているコンテンツは評価されなくなっている
立てた仮説に基づいて、自サイトのコンテンツにチューニングできることがあれば対策を施します。
「Google順位変動」の例では、実際に仮説に合わせたコンテンツのリライト、評価されている「最新」の変動に関するレポートなどのトピックを追加するなどの施策を行いました。
施策時にSEOメモを残し、その後動向を検証したところ、2日後には順位の回復が見られ、順位の下落が始まる以前に近い状態になりました。
この後ももちろん状況のウォッチは必要で、さらに順位を伸ばすために何が必要かを考え対応しなければいけません。
7.まとめ
キーワードの種類やカテゴリにより検索エンジンの動向は様々ですが、SERPs比較分析機能を活用することで大まかな傾向をつかみ、ヒントや気づきを得ることができます。
紹介した内容は一つの事例にすぎませんが、こうして多くのキーワードを分析することで、変動の傾向をつかむ技術が身につきます。
SERPs比較分析機能は、1年間の検索結果データを全てアーカイブしているデータがあるからこそ利用できる機能です。 Gyro-n SEOを活用してSEOチューニングやコンテンツのブラッシュアップを行い、順位アップを目指してください。