SEOに効果的なリライトのやり方、コツ、注意点を徹底解説
コンテンツSEOを行っていると、
- 検索上位を獲得していたのに、徐々に順位が下落していった。
- 一定の順位までランクインしたのに、それ以上のランクアップが見込めない。
など、パフォーマンスが伸びず悩むことが多いと思います。
このような場合にダイレクトに効果を発揮する施策が、コンテンツリライトです。
リライトはSEOで最重要施策といえるほど、効果的で即効性が高い施策です。
ブログ記事やコラムコンテンツを新規に作成していくこともSEOとしては大切ですが、 それ以上に過去記事のリライトによるアップデートはSEO施策には欠かせません。
ここでは、リライトの重要性と、リライト対象の記事の選び方、具体的なリライトの手順やポイントについて詳しく解説します。
SEOにおけるリライトとは?
リライト(rewrite)とは、直訳では「書き換える、書き直す」という意味ですが、SEOにおけるリライトは、公開済みのコンテンツの検索評価を高めるために、部分的に加筆や書き換え、削除等の修正を行い、さらなる検索順位アップを目指す施策を指します。
ここで忘れてはいけないのは、ユーザーが知りたいと思っている内容を適切に見直し、満足度の高いコンテンツにアップデートさせるリライト施策が、結果的に検索評価アップにつながるということです。
単純に間違いや誤植を修正するだけではリライトとは言えず、また、検索順位アップのためにキーワードを詰め込むなどの本来の目的から外れたリライトを行うと、逆の結果を招くことになりますので注意してください。
なぜリライトが必要?
検索エンジンのアルゴリズムアップデートや検索トレンドの変化など、常にSEOの環境は変化しています。
それらの変化にしっかり対応して、コンテンツ評価を維持、もしくはさらに向上させていくために、過去記事や公開済みコンテンツのメンテナンスが必要となります。
リライトによる再評価で検索順位を上げる
コンテンツSEOにおいて、検索流入を確保するために上位ランクを獲得することはとても重要です。
検索上位を目指すためには、検索ユーザーに対して有益な情報を提供できる高品質なページにしなければなりません。
たとえ新規公開時には完成度の高いコンテンツが作成できていたとしても、何度も読み返しているうちに、足りないトピックや漏れている情報、最新情報など、追加すべき内容は必ず出てきます。
これらの不足内容をしっかり拾い上げ、時間をかけて高品質なものに仕上げていくことで、一定の検索順位からさらに上位を獲得できるコンテンツに成長していきます。
検索評価は時間とともに変化する
一定のSEO評価を得たとしても、キーワードに対する検索意図や、検索トレンドは時間の経過とともに変化します。
検索順位が下落し、評価が得にくくなっていく要因の多くは、検索ニーズに対してトピックのマッチ度が高かったものが、徐々に薄れていくことによるものです。
コンテンツは作って終わりではなく、メンテナンスし続けることがとても重要です。
以下のグラフは、過去1ページ目にランクインしていたページが、何も手を加えずにいたところたった3ヶ月間程度で90位くらいまで順位が下落したケースです。
Googleのコアアルゴリズムアップデートなどの要因もありますが、何もメンテナンスしなければ一気に順位が低下するというわかりやすい例です。
このような下落の兆候が発生した時点で、リライトによるコンテンツの見直しを行い、素早く順位をリカバリーすることがとても重要になります。
コンテンツリライトはSEO対策の最重要施策
SEOでは外部対策や内部対策など、技術的な施策に意識がいきがちですが、SEO対策においてはコンテンツリライトこそが最重要施策だと言えます。
なぜなら、リライトは検索順位アップにダイレクトにつながり、すぐに効果が現れる即効性の高い施策だからです。
以下の例は、リライト後の検索順位の動きです。
リライト前と比べ、リライト後は検索順位がしっかり伸びていることがわかります。
このように下落した順位のリカバリーや、さらなる検索上位を目指す場合に、適切なリライトで高品質なコンテンツにアップデートしていく施策が威力を発揮します。
Gyro-nでは、SEO施策のうち内部対策を幅広く行っておりますが、実際に順位アップ施策に費やす時間のほとんどがコンテンツリライトやメンテナンスです。
リライトこそがSEO対策の最重要施策だと考えているからです。
リライトすべきコンテンツとは?リライト記事の見つけ方
では、どのような記事やコンテンツをリライトすべきでしょうか?
様々な考え方があるかと思いますが、ここではGyro-nで行っているリライト記事の選び方やポイントをお伝えします。
大幅な順位下落など、緊急度の高いものはすぐにリライト
先ほど紹介した検索順位グラフのように、直近で下落の動きが激しいもの、あるいはジリジリと長期的に下がり続けてている記事などの兆候を発見した場合は、緊急にリライトすべきです。
クリック率は高いのに順位が伸び悩んでいる記事をリライト
Google Search Consoleのバブルチャートを使ってリライト対象記事を見つけます。
ブログなど公開コンテンツが多い場合には、この方法が便利です。
まず、Google Search Consoleを利用したバブルチャートを作成します。
公式のテンプレートが提供されているので、そちらを利用しましょう。
Googleデータポータルに、Search Consoleのアカウントとデータソースを連携することで簡単に作成が可能です。
縦軸が検索順位、横軸がクリック率(CTR)、バブル一つひとつがクエリ(キーワード)であり、その大きさがクリック数です。
バブルが大きいほど、クリックされており結果として流入につながっていることになります。
平均のラインを元に4つの象限に分かれて表示されており、
- 右上エリア:検索ランクが高く、クリック率も高いキーワード群
- 右下エリア:検索ランクは高くないが、クリック率が高いキーワード群
- 左上エリア:検索ランクは高いが、クリック率が低いキーワード群
- 左下エリア:検索ランクが低く、クリック率も低いキーワード群
まずは単純に、右下エリアの流入につながっている記事の検索ランクを伸ばすことで、流入にダイレクトに影響することが想像されますので、このあたりから着手するとよいでしょう。
次に、左上エリアの中央あたりにバブルの比較的大きなものがあります。
これは検索ニーズも多く、順位も取れているため流入もあるものの問い合わせや購入などのコンバージョンに繋がっていない、「もったいない」状態のコンテンツです。
SEOとは直接関係ありませんが、これらのCTRを改善して右上エリアに移動させることができればサイトの売上アップが期待できます。
以下の図のとおり、パフォーマンスに繋がりやすい水色の象限のコンテンツを黄色エリアに移動させるイメージです。
CTRの改善には、2通りの施策があります。
- コンテンツリライトによる検索順位アップ
- タイトルとディスクリプション(T&D)を見直す
すでに検索上位に位置しているのにCTRが低い場合は、タイトルとディスクリプションを見直して、競合サイトと比較して見劣りしない、ユーザー目線でもクリックしたくなる魅力的なものに改善しましょう。
低品質コンテンツに該当していそうな記事をリライト
低品質コンテンツとは、検索ユーザーに対して価値ある情報がない、内容が薄くテーマやトピックがまとまっていないなど、ユーザーニーズが低く、インデックス対象ページとしての品質が足りていないコンテンツ、または重複しているコンテンツ等を指します。
検索結果に表示させる必要がないと検索エンジンに判断されているような品質の低いコンテンツは、サイト全体の品質を毀損するマイナス要因となります。
そのような低品質に該当しそうなコンテンツや重複コンテンツは、リライトで品質を上げられるものは、迷わずリライトし高品質なコンテンツに仕上げてください。
自サイトの低品質ページの見つけ方など、以下のコラムで詳しく解説しています。
リライト対象コンテンツを分析する
リライトすべき対象記事を洗い出したら、それらの記事をあらためてしっかり読み返してください。
検索キーワードの対象ページとして、必要なトピックは網羅されているでしょうか?
上位に評価されている競合コンテンツをベンチマークし、以下のポイントをチェックします。
リライト記事の分析ポイント
- キーワードに対する必要なトピック、関連トピックは網羅されているか
- 自社ならでは独自性、オリジナル要素は十分含まれているか
- 関連度の低い(低くなった)トピックが存在していないか
- 専門性(Expertise)は担保できているか
- タイトルやディスクリプションは適切か
それぞれ詳しく解説します。
キーワードに対する必要なトピック、関連トピックは網羅されているか
コンテンツがターゲットキーワードに対して、必要となる情報や答えを提供できているか再確認してください。
検索上位サイトをチェックし、評価されているコンテンツはどのようなトピックやキーワードについて言及しているか、その中で自社コンテンツでは言及できていない重要なトピックはないかを確認し、漏れのないよう網羅性を高めましょう。
また、追加したトピックや言及済みトピックについて関連する専門ページがある場合は、しっかり内部リンクを貼るようにし、内部リンク漏れがないようにしましょう。
リライト記事分析で使えるGyro-n SEOの便利機能
テキスト分析機能から、競合、上位サイトの言及トピックをチェックする
テキスト分析機能では、構成単語数やキーワード出現率(含有率)など、客観的に得られるテキストの情報に加え、見出しタグ(Hタグ)や強調タグなど、正しい文書構造のHTMLで記述されているかをチェックできます。
自社だけでなく、競合サイトや上位サイトなどどのようなサイトでもチェックが可能です。
関連機能:キーワードの配置バランスや正しい文書構造がチェックできるテキスト分析機能
キーワード候補機能でトレンドの関連トピックを探す
Gyro-n SEOのキーワード候補機能では、キーワードごとに関連キーワード候補を一覧で抽出できます。
期間を指定し、直近で表示される頻度が高くなっている関連キーワードがあれば、それがトレンドが上昇しているトピックです。
検索ニーズが高まっているトレンドのトピックがコンテンツに含まれているかをチェックし、漏れている場合は積極的に追加していきましょう。
自社ならではの独自性、オリジナル要素は十分含まれているか
Googleはオリジナル性、独自性の高いコンテンツを評価します。
寄せ集めのありふれた内容ではなかなか評価されません。
コンテンツには自社ならではの一次情報(調査、統計、見解等)を盛り込むようにしてください。
上位コンテンツと比較し、こうした独自の強みをしっかり伸ばしていくことが評価のアップにつながります。
Googleは、評価される質の高いサイトのポイントを具体的に明示し、ガイダンスを用意しています。
その中でも独自性やオリジナル性が重要であることを明確に記載しています。
あらためてガイダンスを見直し、コンテンツに反映するようにしましょう。
- 独自のコンテンツや情報、独自のレポート、独自の調査、独自の分析内容が記載されているか。
- 特定のトピックについて包括的または詳細に説明しているか。
- 自明のことだけでなく、洞察に富んだ分析や興味深い情報を提供しているか。
関連度の低い(低くなった)トピックが存在していないか
以前は重要性が高く評価されていたトピックでも、トレンドの変化とともに検索ニーズが薄れていくことがあります。
このようなトピックがコンテンツに含まれていると、むしろ評価が下がる原因となることがあります。
先述したキーワード候補分析で、過去に関連性の高いキーワードとして認識されていたものが、直近では表示されなくなった場合、こうした逆のトレンドで検索ニーズが減少、重要性が低下した可能性があります。
このようなトピックがコンテンツの大部分を占めている場合は、バランスを調整したり、別のページに分けて新たなコンテンツとして構成し直すといった対策が有効です。
こうした状況は、専門のSEOコンサルティングや外部業者によって作成された高品質なコンテンツであっても時間の経過とともに評価が変動し、検索エンジンでのランキングが下がる原因になることがあります。
また、まったく更新されないコンテンツは、鮮度が欠けていると判断され、最新のコンテンツと比較して低評価を受ける可能性があります。
リライトは、必ずしも記事全体を更新する必要はなく、部分的な見直しや新しい要素の追加を行うことで、常にコンテンツの関連性を維持し、検索エンジンでの評価を保つことにつながります。
専門性(Expertise)は担保できているか
Googleが独自に定めた良質なウェブサイトを評価する3つの基準として、E-A-Tがあります。
その中で、専門性(Expertise)はコンテンツの品質基準において重要視されます。
リライト対象の記事で、より専門性の高い情報を提供できないかを見直してください。
言及済みトピックに関してもさらに深く掘り下げられないか、最新情報の追加やアップデートはできないかなどを検討し、関連トピックの網羅性を高めていくと専門性評価も高まります。
タイトルやディスクリプションは適切か
ページタイトルはSEOの基本施策です。
必ずキーワードを含め、できる限り30文字程度に簡潔にまとめましょう。
検索ランクがたとえ上位でなくとも、タイトルの工夫次第でクリック率の向上、流入の拡大が図れます。 検索結果で上位サイトのタイトルを見比べて、それらと似たようなタイトルで埋もれてしまわないような、クリックしたくなる魅力的なものに自社ページのタイトルを見直してください。
特に、タイトルに記事から得られるベネフィットや、検索意図への答えを的確に記載しておくと、ユーザーにはそれが目的に合致したページであると判断しやすくなるため、クリックの拡大につながります。
リライトを行う際の注意点
リライトすべきポイントの分析ができたら、その仮説に沿って具体的にリライト作業に入りますが、コツや注意点があります。
以下のポイントに注意して行ってください。
ポイントを定めて部分的にリライトを行う
リライトはなんとなく行うのではなく、リライトすべきポイントを定めて、必ず仮説を立てて取り掛かるようにしてください。
リライトのコツは、全体を修正するのではなく、効果を検証しながら部分的に修正することです。
全体を一度に修正してしまうと、どの部分が影響して評価につながったかを検証しづらくなり、リライトのノウハウやナレッジが貯まりません。
できるだけ部分的に修正を行い、影響度の高いポイントを見定めて進めましょう。
リライトを繰り返す間に、コンテンツ軸がブレないようにする
リライトは基本的に加筆作業が多くなります。
ただ、加筆だけを繰り返しているとコンテンツ量が増え、あれもこれもと追加していくと本来のコンテンツのテーマや軸がブレてしまい、結果的にリライトの効果が得られない状態になりがちです。
必要のないトピックや、ネガティブに影響する可能性のある部分は、削除することも大切です。
トピックの削除はテストしながら行ってください。
リライトの前と後で検索順位チェックを行い効果検証する
検索順位チェックツールを活用し、リライト前の検索順位のデータを必ず記録しておきましょう。
できれば、検索結果(SERPs)の一覧をすべて記録しておくと良いです。
リライト後にどのような評価につながったのか、検索順位がどれくらい動いたか、どの競合上位ページより評価を伸ばせたのか、など詳しくチェックしてください。
検証を繰り返すことで、施策したリライトが、どのくらい評価につながるのかが肌感覚でわかるようになってきます。
どこに、どの程度のリライトが必要なのかをつかめるようになると、自然とリライト作業も捗ります。
検索順位のチェックには、高機能SEOツールのGyro-n SEOがとても便利です。
検索結果画面は毎日アーカイブされるので、施策した日にメモを記録することで、その後の順位変化を簡単に検証できます。
リライト完了後は、Search Consoleからインデックスリクエストを行う
リライトに限らず、コンテンツを更新した場合はGoogle Search Consoleからインデックスリクエストをしましょう。
せっかくリライトしても、コンテンツがクロールされ、インデックスデータが更新されなければ、再評価もされません。
サイトにもよりますが、自然クロールを待っていると1〜2週間程度かかってしまうことがあります。
インデックスリクエストをしてクロールの待機時間を節約し、できる限りスピーディに検索結果に反映させるようにしましょう。
リライト前の状態に戻せるようにバージョン管理しておく
リライトしたからといって、必ずしも評価アップにつながるわけではありません。
何も変化しない場合もありますし、逆に評価が下がり、順位が下落してしまうこともあります。
そのようなネガティブな結果につながった場合は、すぐにリライト前のコンテンツに戻せるようにバージョン管理しておくことをおすすめします。
リライト後に効果が現れるのはいつ頃か
リライト施策後、Google Search Consoleでインデックスリクエストをすると、2〜3日後か、遅くとも1週間以内には何らかの変化が現れることが多いです。
1週間以上経過しても何ら変化がない場合は、リライト内容に効果がなかった可能性があります。
再度、内容を見直す必要があります。
リライトの効果がしっかり得られれば、その後数ヶ月かけてじっくり評価が上がっていくことが多いです。
このようなケースが理想的です。
まとめ
SEOにおいてリライト施策はとても重要です。
一度検索上位を獲得したからといっても、その状態が永遠に続くわけではありません。
検索結果は常に変化し続けています。
SEOで流入を拡大するためには、検索ランクを維持し、さらなる順位アップを目指す必要があります。
新しい記事を作成することも大切ですが、過去記事のメンテナンスは流入パフォーマンスの改善とサイトの成長に欠かせないSEO対策です。
まずは、リライト候補のページを洗い出して少しずつリライトを進め、コンテンツ資産を強固なものにしていってください。