悪い口コミや低評価など否定的な口コミへの対応方法
Googleマイビジネスは、2021年11月に「Googleビジネスプロフィール」に名称変更されました。
Googleビジネスプロフィールの管理をはじめとしたMEO対策では、口コミの獲得は非常に重要な施策の一つです。
口コミなどのレビューはローカルパックにランキングさせる評価要因として2番めに重要なシグナルとされており、その重要度は年々増してきています。
しかし、口コミを獲得していく上でどうしても問題になってくることが、悪い口コミや低評価などの、否定的でネガティブな口コミも投稿されてしまうことです。
中には、クレームや誹謗中傷などの悪質なケースも存在します。
ここでは、こうしたネガティブな口コミに対してどのように対処すべきか、その方法と、そもそも否定的な口コミが投稿されないようにするための考え方について解説します。
低評価の口コミが入ることは、決して悪いことではない
まず、押さえておきたい考え方として、低評価の口コミが入ること自体は悪いことではありません。
店舗運営をして多くの口コミを獲得していく中では、どうしてもネガティブな口コミは発生しますし、それ自体は自然なことです。
Googleは、肯定的なレビューと否定的なレビューの組み合わせが、検索ユーザーにとってはより信頼できるとも言及しており、「Value all reviews(全てのレビューを尊重する)」という項目を、公式のガイドラインにも追加しています。
Value all reviews(全てのレビューを尊重する)
すべてのレビューを評価する:レビューは、潜在的な顧客が正直で客観的である場合に役立ちます。顧客は、肯定的なレビューと否定的なレビューの組み合わせがより信頼できると感じています。
お客様には様々な方がおられ、いろいろな意見や考え方があります。
多くの口コミが投稿されているのに、良い口コミばかりに偏って並んでいる店舗は逆に信憑性がなくなります。
良いところも悪いところもしっかり投稿されている口コミは、ユーザーにとっても参考になる情報です。
………とは理解していても、やはりオーナーとしてはできるだけ否定的な口コミは避けたいものですね。
悪い口コミや低評価レビューが入ることの影響
では、これら否定的な口コミが与える影響について考えてみましょう。
集客(アクション)に影響する
バランスにもよりますが、悪い口コミが目立つとユーザーの来店モチベーションが下がり、集客アクションにつながりにくくなります。
インターネットの購入アンケートでは、口コミ等が良くなかった場合に購入を取りやめるユーザーの割合は7割以上(76.6%)という調査データもあります。
口コミは、来店しようと検討しているユーザーの意思決定に大きく影響するため、悪い口コミが多い場合には改善が必要です。
ローカルSEOの評価が下がり、検索順位が伸びない
ローカルSEOの評価要因として口コミ数が多く、評価の高い店舗は、視認性が高い人気店として評価されるため、検索ランキングでも有利に影響します。
低評価の口コミが全体の割合の中で多いと、逆に判断されて検索ランキングにも悪影響が出やすくなります。
ビジネスについてのウェブ上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も視認性の高さに影響します。
Google でのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果のランキングに影響します。
クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ランキングが高くなります。
店舗従業員などスタッフのモチベーションが下がる
否定的なレビューが入ることでの一番大きな問題は、店舗スタッフなどお店の運営側に与える影響です。
スタッフが日々、懸命にサービスを提供している中で否定的な口コミが投稿されてしまうと、店員のやる気やモチベーションが低下してしまいます。
オーナーとしてもできるだけこのような状況は避けたいものです。
口コミは削除できるものとできないものがある
悪い口コミだからといって削除できるわけではありません。
Googleは、口コミに関するポリシーを厳格に定めており、ポリシー違反が明確な場合でなければ、削除依頼はできません。
削除が可能な口コミ
口コミの削除が可能なケースは、Googleのポリシー違反の口コミの場合です。
どのような内容がポリシー違反なのかはしっかり把握しておき、それに該当する場合はGoogleに違反報告をしましょう。
Googleが定める口コミのポリシー違反に該当するコンテンツ
- 関連性のないコンテンツ :
このビジネスでの経験とは関係ないクチコミ - スパム:
ボットまたは虚偽のアカウントからのクチコミ、あるいは広告かプロモーションを含むクチコミ - 利害に関する問題:
該当のビジネスまたは競合するビジネスと関係するユーザーが投稿したクチコミ - 冒涜的な表現:
汚い言葉、露骨な性描写、詳細な暴力描写を含むクチコミ - いじめ、嫌がらせ:
特定の人を個人的に攻撃するクチコミ - 人種差別、ヘイトスピーチ:
身元を理由に個人またはグループを中傷する表現を含むクチコミ - 個人情報:
住所や電話番号などの個人情報を含むクチコミ - 役に立たなかった:
この場所に行くかどうかを決めるのに関係ないクチコミ
これらに該当する口コミは削除が可能です。
口コミの具体的な削除方法については以下のコラムで解説しています。
単純に悪い口コミ(批判的)だからといって削除することはできませんが、内容が店舗にまったく関係がないものや、理不尽で虚偽の内容であれば、違反として認められ削除されることがあります。
削除ができない口コミ
削除ができない口コミは、先程述べた「削除が可能な口コミ」に該当しないすべての口コミです。
つまり、単純に店舗にとって不都合な口コミや、悪い口コミ(批判的)は削除できるものではありません。
削除できない口コミに関しては、しっかりと誠意を持った返信をするなどの対応が必要です。
低評価や悪い口コミが投稿されたときの対処方法
では、否定的な悪い口コミが投稿された時の具体的な対応について解説します。
ポリシー違反が明確な口コミは削除依頼、違反報告する
度を越した誹謗中傷や、個人を特定し中傷するようなGoogleのポリシー違反に該当する口コミは違反報告を行い、削除依頼しましょう。
口コミの削除方法はこちらの記事をご確認ください。
丁寧に口コミに返信する
Googleビジネスプロフィールの口コミにはオーナーから返信ができます。
良い口コミに対してだけでなく、むしろ悪い口コミに丁寧に誠実に返信することこそがとても重要です。
口コミに返信することで店舗の姿勢がユーザーに伝わり、信頼性が向上します。
悪い口コミには、それが事実であればまず誠心誠意に謝罪しましょう。反論や同じ目線で言い合うことは絶対に避けてください。
口コミの返信は、投稿したユーザーだけでなく、すべてのユーザーが見ています。
事実に関しては誠意を持って謝罪し、事実と異なる部分については、丁寧に正しい情報を伝えてください。
第三者から見ても信頼される姿勢で返信しましょう。
謝罪し、正しい情報を返信で書いても、その口コミを書いたユーザーは納得しないかもしれませんが、そのやり取りを目にする他の多くのユーザーにはお店の真摯な姿勢や本当の姿が伝わり、ポジティブな情報として受け止められます。
悪い口コミは、正しい情報を伝えるチャンスだと、視点を切り替えて大いに活用してください。
きっと、ユーザーにとって有益な情報源となるでしょう。
また、口コミでのやり取りだけで終わらせず相談窓口なども合わせて返信で案内すれば、サービス改善に努めている店舗であることが他の検索ユーザーにもしっかり伝わります。
例えば「店舗が混んでいた」といったネガティブな口コミに対して、空いている時間や予約窓口の案内をするなど、謝罪だけでなく解決策も合わせて提示すると、お店のアピールや検索ワードへの関連性の強化も図れます。
良い口コミを増やしていく
積極的に口コミを増やす行動をしてください。
口コミはバランスが重要です。
悪い口コミの割合が多いとどうしても目立ちます。
好意的な良い口コミを積極的に集めていけば、相対的にネガティブな口コミの割合は下がります。悪い口コミ対策だけでなく、MEO対策としても検索評価の改善に大きくつながります。
口コミは放っておいてもなかなか勝手に増えるものではありません。
来店客にポップやフライヤーなどで口コミページのQRコードを提示するなどして、気軽に書いてもらえるような工夫をしてみてください。
顧客の電話番号情報を持っているビジネスなら、SMS(ショートメール)を活用した口コミ依頼もおすすめです。
また、Gyro-nでは、アンケートに答えてもらうことで、口コミ文章案を作成する「キキコミ」を提供しています。
ユーザーの口コミ投稿の障壁となっている「考えて書く」ことをアシストし、手軽にクチコミを作成、投稿できるようになり、店舗は内容に富んだ質の高いクチコミを獲得できるようになります。
店舗運営に欠かせない「アンケート」×「クチコミ」をまとめて収集「キキコミ」
「キキコミ」ならアンケート回答だけでAIが具体的な感想をキャッチ。 AIがリアルな声を文章化。手間いらずで質の高いクチコミを。
悪い口コミや否定的な口コミが入らないようにするために
否定的なレビューがまったく入らないようにすることはできませんが、できるかぎりその要因を少なくする必要があります。
悪い口コミは改善点として、スタッフと共有し改善する
否定的であっても内容を真摯に受け止め、改善をしていかなければなりません。
店舗スタッフと情報を共有し、改善するようにしましょう。
また、改善できたことを口コミの返信にもきちんと記載すれば、真摯な対応が他のユーザーに好印象を与えることにもつながります。
良い口コミも悪い口コミを常に返信を心がける
良い口コミだけ返信し、悪い口コミは放っておくといった姿勢は、店舗のイメージ悪化につながります。
悪い口コミが増えると、同じように悪い口コミが増える傾向があります。
良い口コミは返信がなくても他のユーザーから見てイメージを悪くする要素はありませんが、悪い口コミを放置するとそのまま悪い印象だけが伝わります。
どちらかと言えば悪い口コミへの返信対応で悪いイメージを払拭することこそが重要です。
口コミを丁寧に返信をしていくことで、悪い口コミの印象を変え、似たような口コミが増えない環境を作っていくことも大切です。
Googleは不正な口コミを取り除くしくみを導入している
Googleは、ユーザーから投稿される口コミ情報が正確で有益なものであるようにするため、不正な口コミを取り除くためのしくみ(機械学習アルゴリズム)を導入し、改善を続けています。
Google のクチコミをチェックする内容
- クチコミの内容:
不快なコンテンツやトピックに関係のないコンテンツが含まれているかどうか。 - クチコミを投稿したアカウント:
Google アカウントに疑わしいアクティビティの履歴があるかどうか。 - 場所自体:
場所やビジネスに対して、典型的でないアクティビティがあったかどうか。たとえば、最近ニュースやソーシャルメディアで取り上げられたなどといった、不正なクチコミが投稿される動機付けがあったかどうか。
これらの仕組みは、高い精度を実現していますが、不正な口コミを全て排除することはできません。
もしポリシー違反のクチコミを見つけた場合は、Googleに報告してください。
まとめ
口コミはオーナーが制御することはできません。
しかし、好意的な良い口コミを集め、店舗の印象を変えていくことは、とても重要なブランディング施策です。
ポリシー違反の口コミには毅然とした態度で対応し、できる限り多くの口コミに丁寧に返信をするようにしてください。