直帰率とは?直帰の原因を正確に分析し、改善する方法
Google アナリティクスなどWebページのアクセスデータを解析し問題点を改善していく指標の一つとして直帰率があります。
ここでは、間違いやすい直帰率と離脱率との違い、そして、直帰が起こる原因を正確に調べ、対策に繋げる方法について解説します。
目次
- 直帰率とは?
- 離脱率と直帰率との違い
- 直帰率の目安
- 直帰が起こる原因は?
- 直帰の原因を正確に調べる
- 5-1. ユーザータイプ
- 5-2. ブラウザ
- 5-3. 画面の解像度
- 5-4. キーワード
- 5-5. 行動 > 2ページ目
- まとめ
1.直帰率とは?
「直帰」とは、ユーザーが最初にサイトに訪問した入口ページ(ランディングページ)から2ページ目に移動せず、そのままサイトを離脱した状態を言います。
サイトの離脱は、他のサイト(ドメイン)へ遷移した、ページやブラウザを閉じた、何も操作しない時間が30分以上継続した、または、セッション中に午前0時を跨いだ、といった状態が離脱として計測されます。
つまり、「直帰率」は、1セッションに対して、1ページビューのみの訪問(直帰)の割合となりますので、
「直帰数 ÷ 訪問数(セッション数)= 直帰率」
となります。
具体的にはGoogle Analyticsに表示される「直帰率」の部分です。
上記のデータでは、「61.97%」 つまり、このページを入口として訪問したユーザー全体の約6割が次のページへ遷移せず、離脱した(直帰した)こととなります。
2.離脱率と直帰率との違い
「直帰率」と間違えやすい指標の一つに「離脱率」があります。
データを分析し、仮説を立て対策を行うにあたり、この違いは明確に理解しておく必要があります。
「離脱率」とは、ユーザーが訪問したすべてのページにおいて、最後の閲覧ページとなった割合です。
違いのポイントは、直帰率の計測対象は、「1PVしかないセッション」に対し、離脱率は、「すべてのセッション」に対しています。
離脱率が高いということは、そのページを閲覧後、ユーザーに遷移してほしいページがある場合、目的を達成できていません。
遷移させるべきナビゲーションの配置や、コールトゥアクションの訴求内容を見直すべきと言えるでしょう。
3.直帰率の目安
4.直帰が起こる原因は?
ウェブページで直帰が起こる主な要因は以下の内容が考えられ、対策のポイントになります。
4-1.目的のコンテンツや情報が無い、または見つけられない
流入キーワードや広告文などから、ユーザーが期待していた内容と、実際のコンテンツとの間にかい離(ギャップ)があることが原因です。
ユーザーニーズ(検索意図など)に対して目的を達成できなかったことが考えられます。
4-2.導線がうまく機能していない、または設置されていない
目的のコンテンツや情報はあるが、次にユーザーが行うべきアクションがわからず離脱してしまうことが原因です。
ナビゲーションリンクの不足や、コールトゥアクションボタンなど、明確にわかりやすい導線が不足していると考えられます。
4-3.ページを表示、閲覧するにあたり、ストレスが大きい
ページの読み込み速度が遅かったり、レイアウトデザインが見にくい(デバイス対応されていない)、文字が読みにくい(フォントサイズや行間、改行が適切でない)などの要因が考えられます。
4-4.ユーザーの目的が解決され満足して離脱する
この場合については、ブログやニュース記事、または、広告型のランディングページなど、ページ自体で目的が達成されるものであれば、直帰率が高くとも問題視する必要はありません。
その他にも、直帰が発生する要因は考えられます。
ユーザーがどういった理由で他へ遷移せずに離脱してしまっているのか、得られるデータを元に仮説を立て、対策に繋げる必要があります。
5.直帰の原因を正確に調べる
直帰率を元にウェブページを改善するためには、そのページの直帰している原因をつかむ必要があります。
直帰の原因をつかむことができれば、改善はそれほど難しくありません。
直帰の原因は単一のものではなく、複合的に重なっていることが多いです。
ここでは、Googleアナリティクスのデータから読み取れる直帰率の原因を細かく見ていくことで、ヒントをつかむ手順を解説します。
Googleアナリティクスの「ランディングページ」から、セッション数(訪問数)が多く、直帰率が高く、平均滞在時間が短いページを選択します。
データの期間はあまり短くならないよう、3~6か月程度で抽出してください。
ユーザータイプ、参照元、メディア、デバイス等、考えられるディメンションのデータを抽出し、その中でボトルネックとなっている箇所があるかどうかを確認します。
5-1.ユーザータイプ
プライマリディメンション:「ユーザータイプ」を確認し、新規訪問とリピーターの行動を調査します。
通常、リピーターは再び情報を求めて訪問しているため、Webページを詳しく閲覧し、直帰率は新規訪問より低くなる傾向にありますが、このデータの場合の新規訪問とリピーターの直帰率はほぼ同じです。
つまり、リピーターもサイト回遊がほとんどできていないということになります。
5-2.ブラウザ
プライマリディメンション:「ブラウザ(ユーザー環境 > ブラウザ)」を選択し、閲覧しているブラウザにより、何らかの問題が出ているか調査します。
このデータでは、どのブラウザでも直帰率は高めですが、Safari、Internet Explorer、Android Browserの直帰率がさらに高い傾向にあるため、ブラウザによる読み込み速度、ページサイズが重いかどうか確認が必要です。
5-3.画面の解像度
プライマリディメンション:「画像の解像度」を選択し、画面サイズによる影響がないか確認します。
このデータでは、「320×568」のスマホサイズでの直帰率がさらに高い傾向にあり、滞在時間も極端に短いため、読み込み速度と表示レイアウトの確認が必要です。
PC、スマホ、タブレットでのデータの違いを確認するには、セカンダリディメンション「デバイスカテゴリ(ユーザー >デバイスカテゴリ)」を参照します。
5-4.キーワード
プライマリディメンション:「キーワード」も念のため確認してください。
Google以外の検索エンジンからのデータとなりますが、傾向値として掴むことができます。
キーワードによって直帰率や滞在時間の変化がある場合は、そのユーザーニーズに応えられていない可能性があります。コンテンツ内容の精査が必要です。
また、そのニーズをより詳しく解説するコンテンツへの導線をつけることなども検討が必要です。
5-5.行動 > 2ページ目
セカンダリディメンション:「2ページ目(行動 > 2ページ目)」を確認します。
このデータは、ユーザーが次にとっているアクションのデータとなり、非常に重要です。必ずチェックするようにしましょう。
1行目のデータは直帰しているユーザーなので、遷移しているページはありません(not set)。
2行目以降のページURLを確認し、このウェブページの内容から、ユーザーに取ってほしい行動(アクションページ)へのリンク先に流れているか?を確認します。
もし、意外なページへ移動している場合は、それらのリンクを外す、目立たなくさせる必要があります。
- デザイン的に目立たせる
- リンクの配置位置を変える
- 文言を変更する
などチューニングしてみましょう。
目的ページへ誘導できていないことがわかれば、そのアクションへのリンク、ボタン、コンテンツトークの流れを工夫する必要があります。
コンバージョンに貢献しているリンク先があれば、できるだけそのナビゲーションへユーザーを遷移させるように改善する必要があります。
6.まとめ
直帰率の改善策は一つではありませんが、まずは思いあたる部分から修正を試み、データをチェックします。
上記で利用したディメンションだけでなく、それぞれ気になる項目のデータをできるだけたくさん抽出し、どこかに直帰に繋がる問題が潜んでいないかチェックしていきましょう。
少しずつの改善の積み重ねで、ページのクオリティはアップします。
改善施策に迷いがあったり、何パターンか試してみたい場合は、 ABテストを行うことで正しい答え(効果の良い施策)を導き出すことができます。
直帰率改善の基本は、ユーザーの目的や期待に沿ったコンテンツを用意し、 適切なナビゲーション・導線によりユーザーを目的ページまで誘導することです。
ここでは直帰の原因の探り方と改善ポイントについて解説しましたが、直帰率さえ改善すればいいというわけではありません。 最終的には、Webサイトの目的となるゴール(コンバージョン)へ結びつけることが必要です。
直帰率の改善は、コンバージョンへ結びつけるための一つの施策にすぎません。