【EFOツール】ログ解析からユーザーの行動を分析し、フォーム改善に役立てるには?
前回まで、PCサイトのフォームや、スマホフォームにEFOツールを導入した改善事例をご紹介しました。
【フォーム改善事例】EFOをテスト導入された企業のコンバージョン改善事例
【フォーム改善事例】スマホフォームにEFOをテスト導入したコンバージョン改善事例
EFOの入力支援や補助機能により、フォームの離脱率が減少したため
確定率(確認画面まで進むユーザーの割合)が向上し、コンバージョンが改善されるという結果が検証できました。
では、EFOツールを導入すれば全てのサイトで100%の改善ができるのでしょうか?
答えはNOです。
基本的にEFO導入で、ある程度の改善結果は得られますが、
フォームの構成や仕組み、質問項目自体に問題があり、EFOツールの機能だけでは改善できない箇所も存在します。
今回は、そのようなフォームの問題箇所を、EFOログデータから分析し、改善に役立てる事例をご紹介します。
EFOログ解析からユーザーの行動を分析
Gyro-n EFOのログデータは、一般のEFOツールのログデータと大きく異なる部分があります。
一般的なEFOツールでは取得できるデータがほとんどの場合、離脱率やエラー率のみ。
しかし、Gyro-n EFOでは、離脱率、エラー率はもちろん、
エラーの起こるタイミングやその条件まで取得することができます。
一般のEFOツールログデータ | Gyro-n EFOのログデータ |
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項目のエラー発生数や離脱率、離脱数の計測 | エラーの発生数や離脱データに加え、エラーが発生するタイミングや条件まで解析可能! |
具体的な例を見てみましょう。
以下のデータはあるフォームの電話番号の項目で取得されたデータです。
途中離脱数は他の項目に比べて少し高く、そのエラー率は 52.86% あります。
つまり約半数のユーザーが何らかのエラーを発生させ、その結果 4% のユーザーが離脱してしまっています。
通常のEFOツールであれば、ここまでのデータからあれこれ試行錯誤して原因を調べることになるのですが、
Gyro-n EFOでは、さらにエラー条件別のデータも計測されています。
エラー条件別のデータを見てみると、
・「必須」エラーが10.33%
※入力フィールドにカーソルを当てたが、何も入力しなかったためエラーとして検出された数
・「固定文字数」エラーが、21.96%!
※入力最大(最小)文字数を設定している場合に、文字数オーバー(文字数不足)によるエラーが検出された数
・「文字種」エラーが、20.57%
※半角、数字、英字など、文字種を指定している場合に、指定文字種以外が入力されエラーが検出された数
上記のデータから考察すると、固定文字数と文字種で同じくらいの数がエラーとして検出されています。
つまり、この2つのエラーは同時に起こっている可能性が高いと言えます。
そこで、実際のフォームを確認してみると、このようになっていました。
この電話番号欄は「ハイフンなし」で文字種が指定されていますが、
データの内容から見て、このハイフンを入力してしまっているために、エラーが発生していると考えられます。
実際に入力してみるとこうなります。
このように、EFOの機能により、エラーをユーザーにお知らせすることで
多少は入力ミスによる離脱を防ぐことはできますが、
フォームの仕組み自体がエラーを起こしやすいものである限り、根本的な解決にはなりません。
このデータから、エラー発生を極力減らすための改善施策を行うとすれば、
そもそもユーザーに「ハイフン」を入力させないようにフォームそのものを改良することでしょう。
そこで、以下のように電話番号の入力欄を分けることでハイフンの入力がそもそも起こり得ない形に改善したところ、エラー発生と途中離脱は減少し、コンバージョン率に改善が見られました。
このように、詳細なデータからユーザーの行動を可視化できることにより、
正しい改善策を打ち、さらに使いやすいフォームに進化させていくことが可能になります。
もし、取得データが、離脱率とエラー率だけだった場合はエラーの原因をデータ上絞りきれないため、
・そもそも、電話番号入力をためらうユーザーが多いのではないか?
・電話番号の項目を削除すべきか?
といった見当違いの施策を行ってしまう危険性もありますし、
それがもし削除できない項目なら、そのまま放置されてしまう可能性もあります。
Gyro-n EFOの分析レポートは、
フォームの質問項目で、ユーザーがどのように行動しているかをデータで確認できるため、
入力支援機能だけでは改善できない質問項目そのものの改善に繋げることができます。